Polyhedron

フットボールと天鳳と、時々アンダーグラウンド。

The Outcasts 外伝~An unidentified woman vol.2~

カジノにはほとんど全ての場合において
「ケツ持ち」という存在がいる。
いわゆる「その筋」の連中だ。

店にその筋の人間が入ってくることを断るために
用心棒として一種の契約をしておく。
店に常駐はしないが、何かあったら駆けつけてくる。
これが彼らの「シノギ」になる。

大抵の場合は地元の組織になるのだけれど
歌舞伎町のような巨大繁華街には数多くの組織が入り込んでいて
そういう街ではオーナーサイドのつながりで決まる。

歌舞伎町にも地元の組織があるのだけれど
他の組織も「シノギ」はできる。
ただし地元の組織には話は通さないといけない。
これは関西方面の大手であっても同じであって
これを守らないと確実に揉める。

当時の僕がいた店も、もちろんケツ持ちはいた。
オーナーサイドが決めてきたところだったけれど
そこの人間がこんなことを言ってきたのだ。

「自分の舎弟が弁当屋をシノギでやっている。
ついてはおたくでも毎日何個か付き合いで注文して欲しい」

弁当屋がどれくらいのシノギになるのかは
明確な所はもちろん僕には分からないのだけれど
筋者が手を出すシノギには弁当屋がやけに多い。

誰でもできるというのと
思いの外、利益率がいいのかもしれない。

付き合いでもなんでも
毎日決まった個数が確実に注文されれば
食材のロス率というのは格段に減るからだ。

カジノ相手ということになれば
割高の価格設定で売ることが出来るので
ケツ持ちがこの手の弁当を持ち込むケースは非常に多く
業界では「ケツ持ちから買う弁当=ケツ弁」などという俗称まで存在している。

あるいは直接経営しないで
どこかの弁当屋に話をつけて
上乗せして持ってくるだけなのかもしれない。
いずれにしてもちょっとした小遣い稼ぎにはなるだろう。

ただし、味の方は保証できない。
というかはっきり言ってほとんどの場合、かなり不味い。

腐っているものなどはさすがに入ってはいないけれど
その辺のコンビニ弁当以下のものが倍以上の値段になるから
コストパフォーマンスとしては最低の部類だ。

もちろんこんなもの取りたくないのだけれど
こういう付き合いは上の方から持ってこられるので
断るに断れない。

このケツ弁を1日10個注文してくれ、というのを
何とか半分の5個に止めるのが精一杯の抵抗だった。

これで1日5000円、月に25日で12万強の経費増加だ。
客に出すのは論外だし、従業員も誰も手をつけないから
必然的に毎日残って捨てられるだけになる。

捨てると言っても、ゴミ捨て場に捨てれば済むわけではない。

ホームレスが漁るか、カラスや猫が食い散らかすからだ。
カジノから出るゴミは、一般的なゴミとは違って
使い捨てのカードが大量に入っている。

食い散らかされたゴミに混じって
ハートやスペードのマークがついたトランプが大量に散乱していれば
これは誰が見ても怪しいことこの上なくなる。

もちろん店の客入りの次第では忙しい時間帯はまちまちだから
ゴミの収集車が来る時間に合わせてゴミを出せるわけではない。

僕は頭を抱えた挙句
ようやく一つの解決方法を見つけた。


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天鳳で日夜遊ぶ柏レイソルサポーター。

天鳳(鳳凰卓東風戦)の段位は現在八段。

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