Polyhedron

フットボールと天鳳と、時々アンダーグラウンド。

天鳳名人戦第二節

昨夜行われた第二節を公式生放送で見ていたのだけれど
少しだけ気になったことがあったので
観戦記がてら書き記しておこうと思う。

今回僕が注目していたのは
第一節で大きく出遅れたASAPINが巻き返せるかどうか。

そのASAPINの打ち方で紛糾していた部分があった。

まずこのシーン。

2011080720gm-0009-10011-a80db4adtw=3ts=6.jpg

ここからASAPINは通りそうに見える3sを止めて最初に2pを切り
それから降り気味に進めるように見せておきつつ
最終的にはテンパイを入れた。

見る人によっては迷走していたように見えるかもしれない。

でも僕はこのシーンの彼の思考はとても良くわかる。

まず3着目からのリーチで自分はトップ目。
一発放銃は避けたい。
3sはかなり通りやすい牌だけれど
自分はまだイーシャンテン。

しかも3pが入ってテンパイになったとしても
6-9pの筋が少し打ちにくい。

だからまず2pを切って5pが上家から出たりすれば
鳴いて3sを切ろう
完全安全牌の中の暗刻を落とすのは一旦保留しよう

そういう発想だったんだと思う。

そして実際に危険度の低い牌を切っていく過程で
3sや1sが通った後の4sなどが安全度の高い牌になり
白を鳴いてテンパイまでこぎつけることができたわけだ。

2011080720gm-0009-10011-a80db4adtw=3ts=6-2.jpg


おそらくもっと危険度の高い牌を引いていたら
その段階で明確に降りたはずだ。

1巡ごとに変化するそれぞれの牌の安全度、
それをきちんと判断しギリギリまで粘っていく、
彼が天鳳位に挑んでいる時、
こういった打ち方を頻繁に見た。

ギリギリまで粘ってテンパイを入れたり
あるいはそのままあがり切ってしまったり。
このケースでも6-9pは5枚残っていたからあがり切れる可能性はあった。
だからこれは迷走でもなんでもなくて彼の持ち味なのだ。

別の局面ではこのスタイルが裏目に出て
リーチにハイテイを回して逆転を許したのだけれど
それはもうしょうがないと僕は思う。

僕があれっと思ったのは別の場面だ。

2011080720gm-0009-10011-a80db4adtw=3ts=3.jpg

リーチを受けてベタ降り中。
ただし現物はない。

リーチの捨て牌は変則手を警戒させるものだから
おそらく彼はチートイツやトイツ手も警戒していたはずだ。

ただ、おそらく彼はこの段階で
9pが場に2枚見えていることを見落としている。
あるいは2枚見えていることが意識から消えている。
見えていないのはおそらく自分の切った9pだろう。

1枚しか(彼にとっては)見えていない9pと
自分が暗刻で持っている中を比較して
彼は中の暗刻の方が安全だと判断したわけだ。
3巡凌げるというのももちろん考慮には入っているだろう。

がしかし、もし2枚見えている9pと場には見えていない中の比較であれば
チートイツを警戒していたのなら
間違いなく9pの方が安全度は高いと考えるはずだ。
4pを切ったところでもそれは感じた。

もちろんこれ自体はありがちな見落としだ。
がしかし、なぜこれが起きたのかについては
僕は確信に近い推測がある。

天鳳位を獲得して以降、彼は東風速をずっと打っているからだ。

速卓というのは考察に使える持ち時間が本当に短い。
あっという間にカチカチ音が鳴り始める。
だから瞬間的反射的に判断を下していかないと
時間切れでツモ切りになってしまうケースが頻繁にある。

言い換えれば瞬間的反射的に打てる領域を広げていくことが
速卓での成績を安定させることにつながる。

僕のような40代にとって
それはかなり大きな苦労だけれど
ASAPINもそういう方向でアジャストしていたはずだ。

余談だけれど
もし天鳳と他のサイト、あるいはリアルのプレーヤーと
対抗戦のようなものをするとして
その舞台設定が天鳳になるなら
卓は絶対に速卓にすべきだと思う。

速卓のリズムに慣れている者とそうでない者では
煮詰まった局面においてかなり差が出る。

2軒リーチを受けて危険牌をツモってきて
共通の安全牌が見当たらない、
そんな時に打ち慣れている者はツモ切りになるよりは
よりダメージの少ない牌を選ぶ。
打ち慣れていない者は時間切れでツモ切りになる。

この差はかなり大きい。
自分がより有利になるフィールドで戦えというのは
宮本武蔵だけでなく古今多くの兵法家が言っていることだ。

そういう意味でも
今回の名人戦のルール設定には
僕はいささか戦略的な疑問を持っているのだが
それはさておく。

要するに放銃を避けようという意識を持ちながら
瞬間的反射的に打とうとしていくと
必然的に自分の捨て牌は二の次になる。

放銃という点だけに限って言えば、
自分の現物は気にする必要が無いからだ。

フリテンの単騎でリーチをかけたりするミスというのは
おそらくこれが原因だと僕は思っている。

鳳南はそうではない。
時間はもう少しゆっくり使える。
この名人戦もそうだ。

この日リアルタイムで観戦していて
彼は明らかに速卓のリズムで打っていた。

彼の持ち味である
安全度を丁寧に評価しギリギリまで粘って行くスタイルと
それを瞬間的反射的に判断するというのは
ある意味において相反すると僕は思う。

周りが全員そうならまだしも
自分だけのストロングポイントを自ら捨てるようなものだ。

叩くつもりもないし貶めるつもりもない。
むしろかなり応援している。
それでもあえて厳しいことを言うと
それは調整不足ではないだろうか。

使える時間をきちんと使うというのは
簡単そうに見えてそう簡単ではない。
ハムスターにしょっちゅう飛車を素抜きされている僕は
それが良く分かる。

2枚切れている9pを止めて
場には見えていない中の暗刻落としで降りるというのは
東南の時間配分にアジャストし切れていないように僕は感じた。

もちろんこれは僕の推測であって
勘違いだとしたら申し訳ないのだけれど。

東南で天鳳位までたどり着いたプレーヤーにとって
もう一度東南を打てというのは
モチベーションにおいてなかなか難しいというのは分かる。

がしかし、この天鳳名人戦の舞台は
モチベーションを掻き立てるのに不足なのだろうかといえば
そんなことはないはずだ。
ギャランティも発生していると聞く。

であれば、東南のリズムで調整しておくのは
むしろやっておいてしかるべきだと言っていい。

もし今回の名人戦に出場するプロが
ネット麻雀をほとんどやったことがないのに
それへの調整を全くしないで臨んで
クリックミスを頻発させたりしたら
おそらくそのプロの評価は相当低いものになるだろう。

それと同じことだ。

自分のベストパフォーマンスを出せるように
前もって出来ることはしておく、
その上での勝ち負けだと僕は思う。

幸い、次節までまだ一ヶ月近くある。
焦りがちなメンタルも含めて
立て直すには十分な時間だ。
思ったほど上下の差もついていない。

初代天鳳位の巻き返しに期待する。

<天鳳名人戦第二節までの結果>

1   157.0  19.63   8  4/ 2/ 1/ 1 1.88 Ⓟ小林剛
2    59.0   7.38   8  2/ 2/ 3/ 1 2.38 Ⓟ須田良規
3    56.0   7.00   8  1/ 4/ 3/ 0 2.25 Ⓢ福地誠
4    23.0   2.88   8  1/ 4/ 1/ 2 2.50 Ⓟ多井隆晴
5    15.0   1.88   8  3/ 1/ 2/ 2 2.38 (≧▽≦)
6   -11.0  -1.37   8  3/ 0/ 3/ 2 2.50 Ⓟ石橋伸洋
7  -137.0 -17.12   8  1/ 2/ 1/ 4 3.00 ASAPIN
8  -162.0 -20.25   8  1/ 1/ 2/ 4 3.13 Ⓟ鈴木たろう

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Author:omoteura
天鳳で日夜遊ぶ柏レイソルサポーター。

天鳳(鳳凰卓東風戦)の段位は現在八段。

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