Polyhedron

フットボールと天鳳と、時々アンダーグラウンド。

沈黙は金

人は誰でも誰かと関わって生きている。
それはもちろん言うまでも無い事実だ。

そして同時に、その関わり方に
濃淡があるのも言うまでも無い事実だ。

肉親や親友、恋人といった「近い人達」から
単なる顔見知り、仕事のつながりといった「少し遠い人達」、
さらには縁もゆかりも無い全くの赤の他人に至るまで
人の関わり方には実に多くのグラデーションがある。

ところでここに一つの命題がある。

「勝負の場において、その人間関係のあり方は
どこまで勝負に持ち込んでいいものなのか」

という命題だ。

とある勝負で、自分が日ごろ深く関わっている相手と
勝負しなければいけない局面に出くわす。

そしてその勝敗の結果に自分はあまり大きな利益不利益は無いけれど
相手にはとても大きな利益や不利益が生じるとする。

自分は負けても殆ど失うものはないけれど
相手は勝てば大きな利益があったりする場合だ。

そんな時に、その相手に勝ちを譲ることは、
勝たせるように協力、アシストをすることは許されるのだろうか。

あるいは足を引っ張らないように、邪魔をしないように
自分の戦い方に手心を加えることはどうだろうか。

勝負の場で考えるべきことは、自分の利益だけであるべきだ、
もちろんその通りだろう。
僕もそう思っている。

ではその利益の範囲は?

そこで相手に勝ちを譲っておけば
自分が逆の立場になった時に協力してもらえるかもしれない。
邪魔をしないように手加減してくれるかもしれない。
それは長い目で見れば、自分の利益だと言えるだろう。

そうやって互助会的なものが自然と発生する。

何となくであっても、相手が手加減をしてくれたと感じた時に
人はそれを「借り」だと感じやすい。

(この間この人に助けて(邪魔しないで)もらったから、
今度は助けて(邪魔しないで)あげよう)

そんな心理だ。
もちろん個人的な好き嫌いの感情もあるだろう。

(こいつには頑張って欲しいから
選べるものならこいつが勝つようにしてやりたい)

同じ組織に属する相手、
普段親しくする相手、
そういった相手にはそうでない対戦相手よりも甘くなるとして
それは非難されるべきことなのだろうか。

おそらく、それが進んでいけば
心理的な「借り」だけではなく
「貸し」になっていくだろう。

(この間助けてやったんだから今度はお前が助けてくれよ)

こうなっていくのがむしろ自然なことなのかもしれない。

それでも、僕はこういうのが嫌いだ。
相手との関わり方の濃淡で、勝負事に対する姿勢を変えたくない、
ずっとそう思っている。

もしそういうことを許容していくとすると
顔の広い人間、馴れ合いの多い人間が圧倒的に有利になる。
僕が考える麻雀の実力には含まれていない
「政治力」「コミュニケーション能力」が含まれてくるようになる。

そういうのは好きではないから
僕は自分の損得勘定をする時には
その一戦だけに限定して考える。

僕が誰かにアシストをする時は
アシストをすることがその一戦における自分の利益に直結する時だけだ。
以前アシストしてもらったからといって
必要の無いアシストはしないし考えない。

アシストしてくれた相手がラス目の親なら
容赦なく蹴りに行く。
アシストしてくれない相手でも差し込めば自分がトップで終局するなら
全力で差込に行く。

好き嫌いの感情は挟まない。

でもそれは僕の価値観だ。
僕はそうする方が純粋に楽しめるからそうするけれど
人にそれを強制することは出来ない。

一戦毎に限定するのは僕が自分の価値観に沿って決めた線引きであり
それを拡大して考えることを否定できるだけの論拠は僕には無い。

そういった互助会的なものを作り上げることが
長い目で見て成績の向上、自分の利益につながるのなら
協力してくれた人には協力するし
してくれなかった人にはしてあげない、
それだけでなく、甘く打つ、厳しく打つ、
そういう線の引き方を自分はする、と言われれば
鼻白む思いはするにしても、それを否定することはできないかもしれない。

何も最初から協力し合おうと言っているわけではないのだ。
(もし最初からコンビを組むのなら、それはもちろん不正行為だ)

自分が損得から離れた状況にいて、
協力してあげたい相手が損得に深く関わっている時、
そんな時には、彼の競争相手に不利益になるように打つわけだけれど
差込が出来る状況下でも競争相手にはしないといった局面などで
そのスタンスはより鮮明になるだろうか。

これを読んでいるあなたは
もしかしたらこう思っているかもしれない。

またプロ麻雀連盟の話か?

そうではない。
もちろん相撲協会の話でも無い。

そう、天鳳でも似たようなことはあるのだ。

麻雀の世界の大手競技団体で普通に行われ
ネット麻雀大手においても

「あの人に昇段して欲しいから」
「この間邪魔をしないで貰ったから」

といった理由でアシストをしたり
差込を出来る状況なのに傍観しているだけなのを見て
僕はふと、どちらが正しいのかと迷う。

「Twitterで絡みがあるから」

なんていう理由までも公言するということは
それほど悪いことだとは思っていないのだろうから。

プレーヤーの内心の領域はルールでは縛れない。
これを規制することはたぶん誰にもできない。

それは分かっている。
黙っていれば良かったのだろう。

だいたい人のことをとやかく言えるほど
立派な人生を送ってきたわけでもないのだから。

ただ、趣味の世界くらいは純粋に楽しもうとする人間でありたい、
そう思ってはいたのだけれど。



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プロフィール

omoteura

Author:omoteura
天鳳で日夜遊ぶ柏レイソルサポーター。

天鳳(鳳凰卓東風戦)の段位は現在八段。

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アングラ小説はリンクから。
Twitter=@foolishowl0425

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