Polyhedron

フットボールと天鳳と、時々アンダーグラウンド。

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光あるところ

最近、とあるカジノの
オープン前の準備段階に少しだけ関わった。
いや、関わったというほどでもなく、
ちょっと詳しい話を聞いた程度、
と言った方がいいかもしれない。

その成り行きでその準備中の店に一度だけ、行った。
真新しいラシャの張られたテーブルと
顔が映るくらい眩しい鏡面仕上げの椅子。

店内ではディーラーの研修として、
若い女の子たちが
まだ少し覚束ない手つきでカードとチップを扱っていた。

簡単に挨拶を済ませ、店の片隅に座る。
半ば無意識に
テーブルの中にセットしてあるチップに手が伸びる。

カジノの現場を離れてもうずいぶん経つ。
ディーラーではなくなってからを考えると、
それはもう20年近く経ったことになるけれど
掌の中のチップの扱い方を、僕の指はまだ覚えていて
ごく自然にディーラーとしての動きを繰り返す。

研修中の女の子たちにアドバイス的なことをしかけて
講師役の邪魔になるだけであることに気づき、口をつぐみ
当たり障りのない世間話だけ口にする。

もちろん彼女たちは、
アングラの世界の住人になろうとしているわけではなく、
健全なゲームとしてのカジノの世界、
を見ようとして応募してきたはずだ。

かつてのバカラ一辺倒のハウスではなく
むしろ対人ゲームとしてのスキルを競うポーカーが
そのカジノのメインゲームだ。

当然のことながら、アングラカジノが流行る前に
パンデミックのごとく全国に出来たゲーム喫茶のように
ビッグやスモールを当てるダブルアップボタンも無い。

訊けば、ネットゲームの要素を取り入れて
やり込みRPGとしての展開を考えているらしい。
つまりオンラインが先で、リアルが後、という発想になる。

麻雀もそうだけれど
財物を賭すことは
カジノゲームとしての面白さの一部分に過ぎない。

特にポーカーのようなスキル介入の大きなゲームは
そのスキルの巧拙を競うだけで十分面白い。
結果に付随してくる賞品は
財物としての価値が無くても構わないのだ。

がしかし、その一方で
財物、それも自分にとって
大きな価値がある財物が
賭けられていればいるほど、
人は、痺れる。

それもまた真理だ。
その痺れが、人を吸い寄せ狂気を孕ませる。

その狂気を、欲望の直射を、
ディーラーや店の黒服は浴び続ける。
それは強烈な力を持つだけでなく、
時に暴力的でさえある。

それに耐えられなくなった者は文字通り病む。
発狂するわけではないけれど
どこかしら歪んだ感性、
曲がった価値観を持つようになる。

あるいは僕もそうなのだろう。

だからというわけではないけれど、彼女たちの中に
そちらに吸い寄せられていく者がいないといいなと
少し、心配になる。

「あのね、僕も最初は君たちと同じように
光の当たる舞台だけ見るつもりだったんだよ」

なんてことは
さっき顔を合わせたばかりの彼女たちには言えずに
飲み込んで帰ってきたのだけれど。
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Author:omoteura
天鳳で日夜遊ぶ柏レイソルサポーター。

天鳳(鳳凰卓東風戦)の段位は現在八段。

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アングラ小説はリンクから。
Twitter=@foolishowl0425

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