Polyhedron

フットボールと天鳳と、時々アンダーグラウンド。

溜まったツケを払うとき

またしても、と言うべきだろう。
タイトル戦の決勝で優勝の可能性がなくなった、
いわゆる「目無し」の打ち方についての問題が起きた。

SNSでも盛んに議論されているけれど
自分の思考を整理がてら、少し触れてみる。

1:行為そのものの是非について

目が無くなった時点でオールツモ切りをするというのが
今回問題になっている目無しプレイヤーの取った選択だが
この妥当性について考えてみる。

結論から先に言えば
目的や動機において理解はするけれど
手段については妥当性を欠くと考える。
興行を無視してプロは存在し得ないからだ。

SNSなどでのファンの反応を見ても
これを是とするか非とするかは完全に二分している。

非とするファンを納得させられるだけでなく
その方が望ましいのだという説得力のある意見は
今のところないのではないだろうか。

前述のように、その意図、目的は理解できる。
対局における影響を意思ではなくランダムに委ねるというのは
どのみち誰かには有利になり誰かには不利になるという
麻雀のゲーム性に由来しているものだろう。

どうせ影響が出るのなら、意思を介在させまいということだ。

しかしながら、この「ゲームへの影響」を考えるときには
必ずそこにはその影響の大小を比較しなければならないはずだ。

A:どうせ影響が出るとしても極力小さくなるように努めるべきだ
B:どうせ影響が出るなら大きくても小さくても知ったことではない

興行としてどちらを選択すべきなのかという視点抜きで
この問題の結論を下してはならないわけで
プレイヤーの摸打の自由に制限があっても仕方がないと個人的には考える。

また、仮にオールツモ切りを認めるとしても
そこにはクリアしないといけない手順があるはずだ。

そのプレイヤーに優勝の目がなくなったというのが
本当に全員に共通した認識になっているのかどうか、
それは誰がいつどのように確認するのか、
そのときに必要とされる所作、合図は必要なのか否か、
そういったことをきちんと事前に決めておかないと

「実際にはまだ目があるのに、突然延々とツモ切りをしだした」
「実際にはもう目がないのに、本人はまだ目があると思っていた一方で
周りは目がないことを知っていた時に、たまたまツモ切りがずっと続いた」

こういった状況で無用の錯誤が生まれる。
これは事前に解消しておくべきことだろうけれど
そういったことはされていなかったと思う。

2:目無しプレイヤーの取るべき行動について

今回の件で、当該プレイヤーは
自分が選択した行為について謝罪し、
所属団体の長も同様に謝罪したが
処分はそれにとどまらず、
多くの大会への参加を許されないことになった。

行為の妥当性にも関わることだが、
そもそもなぜ単騎駆けのような行為になったのか。

目無し問題ははるか昔から存在する問題だ。
それに対する解決策、コンセンサスを形成することなく
その場の独断で決めたかのような顛末である。

行為の後にすぐに謝罪するくらいなら
なぜあらかじめもっと議論を深めておかないのか。
時間がなかったということはあるまい。

行為自体には賛否両論あるはずだ。
競技としての純粋性だけでなく、興行としての側面からも
反対意見があるのは明らかだろうと思う。
それを比較考量してなおそうすべきだと思ったのであれば
逆に簡単に謝罪するような話ではなくなるはずだ。

少なくとも当該行為の前に、所属団体内部で
全体のコンセンサスを得ていなければおかしいと思う。
明文化しておくことが望ましいのはいうまでもない。

競技プロとしての存在意義を問われかねない
それくらい重大な行為だと思うし、
それならその行為をする前にやっておくべきことがあったはずだ。

この点について、例えばRMUは
新決勝方式という解決策を提示した。
これもまだまだ改善の余地はあるかもしれないが
少なくとも団体としての解決策はまずはひとつ提示した形だ。

プロ連盟にはコンセンサスらしきものがあるように見える。
どういうコンセンサスかというと

「摸打の妥当性につき理事(幹部)による審査、審判がある」

という点についてのコンセンサスだ。
別に皮肉でもなんでもない。

要するに彼らは、目無しの時にどう打つべきかについて
不文律のようなものを持っていて
それに沿っているかどうかを”上の人”が判断する。

所属員はその不文律について理解を深めるべく
”上の人”に日ごろから指導を請うべきものであり
それこそが彼らの考える「プロの自覚」である。

(審査する”上の人”自身が対局者となった時に
自分が用いてきた審査基準に拘束されるべきかどうか、というのが
かつて紛糾した「目無しのピンフのみリーチ」の論点の一つだけれど
ここではそれは論じない)

こう考えてくると当該プレイヤーの下した結論は
拙速というか稚拙なものであるように思うし
それは反省しなければならない点だろうけれど
同時に、所属団体の幹部も
負うべき責任があるのではないかと考える。

監督責任、運営責任というか
決めておくべきことを決めるのを怠っているからだ。
決めておけることを怠ってきたからだ。

3:処分について

もしこれが協会上層部からの停止処分であれば
これははっきり妥当性を欠くと考える。
当該行為が不適切だったとしても
行為と処分のバランスを著しく欠いている。

謝罪して早急な規定作成を図ります、
くらいなら十分妥当性を認められるけれど
行為時点で規定されていなかったものを
遡及処罰するようなことはあってはならない。

しかしながら、本人の意思として
出場を辞退するという形を採っているのであれば
これは本人の意思でしか撤回できないし
おそらくそれはしないだろう。

稚拙さ、拙速さの責任を痛感して
しばらく謹慎しますと本人が言っているのに
周りがそれを撤回しろと強要することはできない。

この点につき、他団体からの圧力があったという情報もあるが
これは不確定な情報なので論点には含めない。
あったのならばそれは不適切なものだとは思うけれど
一方で、興行のパートナーとして評価を下すのは当然でもあり
不正確な論評は控えるべきだろう。

結局のところ、麻雀プロ団体は
自らが放置してきた問題によって
いつまでも揉め事を繰り返しているということになる。

これは目無し問題だけでなく
刑法や風営法との関わりなどの問題も同じだけれど
そういう根本的な問題を放置して
普及などはありえないというのはこの機会に強く指摘しておきたい。

前回の目無し問題が紛糾してからでさえ
既に数年が経過していることを競技プロは恥じるべきだ。

4:最後に

こういった問題を解決するに際して
各団体のトップもしくは幹部による議論というのが必要なのではないか。

麻雀業界には現在、大きなスポンサーがいる。
そのスポンサー自身がどう考えているのかは不明だけれど
業界として発展させられなければ
スポンサードの効果は低いだろう。

その意味でも、有識者も交えた討論会の開催を望む。
可能ならば、各団体の上に位置する
コミッショナー的な存在を作れればなおいい。

結局のところ、麻雀業界以外の世界に対応していくには
(それがロビー活動であれ何であれ)
ちまちました個々の団体単独では難しいだろうからだ。

まぁそれは絵空事というか夢物語で
実現はしないだろうけれど
団体内部の利害から離れた人だけで作る業界統括組織があると
こういった揉め事は減るのではないだろうか。


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