Polyhedron

フットボールと天鳳と、時々アンダーグラウンド。

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原風景

久々にブログを書こうかと思ったのは
やはり十段戦のことがあったからだ。

私的な団体の構成員の処遇の話だから
当事者がそれぞれ結論を出しているなら
とりあえずその話としては終わりではある。
部外者がどうのこうの言ったところで覆ることもないだろう。

ただ、愛好家、視聴者はそれについて好きなように論じる権利はある。
電凸抗議したりしてもあまり効果はないかもしれないけれど
批判の俎上に乗せられるのは当然のことだろう。
もちろん擁護する人がいても構わない。

でも僕にとってはおかしいなと思うところが多い。

プロの対局は模範となるような態度、所作で行わなければならないと言うのは結構だけれど
現実的にそうではない所作は至る所で見受けられてきた。

無駄な盲牌、強打、長考・・
それらは処罰に値せず、明らかだとまでは思えない手三味線は失格及び謹慎というのは
規則の運用に恣意的なものがあると思われても仕方があるまい。

例えば降りているのに強打している対局者を何度も見たけれど
それは手三味線=誤った情報を故意に発信していることにはならないのだろうか。

そして立会人にはなぜ処分が下されないのか。

プロの興行に携わる審判員の責任は重い。
例えば相撲の立行司は軍配を差し違えた時にその責任を負えという意味で
(実際には腹は切らないが)腰に短刀を差している。
誤審をしたなら進退伺いは当然出す。

今回、立会人は三味線だと感じた時に即座に対局を止めるべきだったにも関わらず
生放送だからという理由でそれを躊躇した。
その結果がこの顛末であり、どう考えても悪化させていることになるが
要するに立会人、審判としての技量や覚悟が足りなかったということだ。

であれば当然その責任は立会人も負うべきではないだろうか。

そもそも対局相手の長考だとか仕草に意味を見つけるのは
言ってしまえばその人の勝手な解釈に過ぎないのではないのか。

少し、昔話をする。

以前も書いたことがあるけれど
学生の頃、雀荘で働いていたことがある。

そしてある日、競技プロをやっていたそこの店主に誘われて
最高位戦の採譜に行ったことがあった。
まだ協会もμも、もちろんRMUも設立されていない頃の話だ。

それまでも何度か観戦に行ったことがあったのだけれど
(記憶が定かではないが、当時は確か観戦は有料で500円だった気がする)
採譜は初めてのことで、前日に店主に簡単なレクチャーと練習をしてもらって
対局当日に臨んだ。

飯田、井出、金子・・・ビッグネームが揃う対局は
僕にとってはなかなか緊張するものだった。

対局の合間に選手は雑談をしていたのだけれど
(当時はわりとのどかで、煙草を席で吸いながら雑談をしていたと思う)
とてもじゃないけれどそれに混ざる勇気はなかった。

ところが店主が僕に

「何か質問とかあれば聞いてみるといいよ」

と話を振ってくれた。

曖昧に笑いながら返事をした僕は
次の半荘が終わった後になってようやく勇気を振り絞って
店主の下家に座っていたとある選手に質問をしてみた。

ブラフ気味の仕掛けが入った局の対応が
当時の僕には分からなかったからだ。

「この仕掛けはちょっと遠いんじゃないかとか思った時にはどう打たれているんですか?」

ラークのロングをくゆらせながら
その選手は、初めて言葉を交わす自分の半分ほどの年齢の小僧に
ずいぶん気さくに答えてくれた。

「うん、相手の仕掛けがどうであれ
まずはきちんと対応していくことを考えるよね。
打つべきだと思った牌を打って止めるべきだと思った牌は止めるだけ。
何度も打つ相手なら早そうだとか遅そうだとか何となく分かったりもするけど
自分の勝手読みのことも多いからね。
強打したからとか、長考したからとかいうのもそうだけど、
人読みの前にまずは場の情報をできるだけ正確に読み取るしかないよね」

この言葉が、僕の言わば原風景だ。

その言葉の意味を全て汲み取って理解しているまでは言えないにしても
投げやりになってはいないか、
勝手な解釈で決め付けてはいないか、
今でも、打ちながら、打った後でそう自分に問いかけることも多い。

先日、最高位決定戦のパブリックビューイングに
その選手が解説に来るという告知を見て
あの飄々とした語り口で解説を聞ける時代になったのかと思うと
いい時代になったなと思ったりもした。

配信によってトッププロの対局を
生で観戦できるというのは
本当にすばらしいことだとは思う。

連盟はその意味では他の団体よりも一歩も二歩も前を進んでいるわけで
それが我々一般の愛好家視聴者に期待させる部分は間違いなくあるだろう。
だからこそこういう話題で燃えたりもするのだろう。

僕個人の話をすると、
プレイヤーとしてはまだまだ未熟であるがゆえに
相手のマナーの悪さや対局態度にメンタルを揺らされることもある。
三味線まがいの行為や長考に苛立つこともあったりする。

でも、僕はルールとしては
そういった解釈に左右される余地を減らす方向の方が好きなのだ。

見せ牌、腰牌もそうだけれど
競技として考えるなら
そういうどうとでも解釈できるようなことをいちいち考慮に入れずに済むように
ルールと言うのは決めた方がいいのではないかと思っている。

今回、連盟はそれとは逆の方向にルールを運用した。

失格や謹慎の可能性がある反則行為というのは
普通は細かく規定した上で運用されていくものだ。

サッカーであれば審判の判定に不服を唱える際に
口で普通に抗議をするだけならイエローだけれど
それが過度の暴言になったりピッチの横に置いてある看板やペットボトルを蹴ったりすると
レッドカードになって最悪数試合の出場停止になる。
そうきちんと通達されているのだ。

今回はそうではあるまい。
何をもって手三味線とするのか。
本当にそれは解釈が入り込む余地のないほどのものだったのか。

僕にはとてもそうは思えないが
今回をきっかけに規定し明文化していくということであれば、
今まではそうではなかったけれど
今後はそういう方向に統一して運用していくのであれば、
それはそれで仕方がないのではないかとも思う。

(今までは違ったけれど)
無駄な長考や盲牌、強打はプロとして模範的な対局態度ではない

(今までは違ったけれど)
立会人は対局の審判員として強い責任感と使命感倫理観を持ち対局に臨む

そういう「約束手形」を発行したようなものだ。
今回だけの話であれば
それはさすがに愛好家視聴者からの支持は得られまい。
けれど連盟がそこを見くびっているとしたら
ひょっとしたらその手形は落ちないんじゃないだろうか。

フジテレビじゃないけれど
盛者必衰のきっかけがネットの反応から始まることは
すでに珍しくなくなっているんだけどね。





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Author:omoteura
天鳳で日夜遊ぶ柏レイソルサポーター。

天鳳(鳳凰卓東風戦)の段位は現在八段。

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